青竹雑記帖(6代目)

テキスト処理をメインとしたIT解説をします。

文字だけで扱うコンピュータの世界(2):テキストエディタ事始め

承前

さて、Windowsの「メモ帳」やmacOSの「テキストエディット」には慣れましたか? 

blog.aotake91.net

前回の記事を読んでからまだ30秒ですか。ではまだ早い。3日間くらい使ってからまた来てください。……なんて言うとなかなか先の記事を読んでくれなくなりますね。でもやはり3日間使ったあとの物足りなさが重要です。メモ帳でも十分捗るぜ! という方にゴリ押しするのはよろしくありませんし。物足りなさを感じた人は、ステップアップして他のテキストエディタを試してみましょう。

テキストエディタのランキング……なんてものはしません

こういうサイトでよくありがちなのが、テキストエディタのおすすめランキングを作って載せることですが、それをやると私は第1位にVim / Neovimを持ってきてしまって、テキスト道に入門されたみなさまが「なんやこれめんどくさ、はーつっかえ」と去ってしまわれるおそれが大きくなります。かといってランキングで嘘をついておすすめすると後からボロが出ます。ですからやりません。思いついた順に紹介します。もうちょっときちんとした紹介がほしい方は、「窓の杜」で眺めてみるのはどうでしょう。でも私が昔愛用していて更新が止まってしまったソフトも結構載ってますね。別に古いから困るなんてことはありませんが、Unicode特有の文字(絵文字など)を利用したい時に文字化けしてしまうことがありますので、そのあたりは注意が必要です。

forest.watch.impress.co.jp

多くのエディタに共通する、Windowsの「メモ帳」に存在しない機能は次のようなものがあります。

  • 行数表示
  • 桁数表示(ルーラー)
  • プログラムコードの文法に基づく色分け
  • 正規表現を利用した検索・置換(連載の後の回で説明します。とりあえず今は「強力な検索ができる」とご理解ください。)
  • ウィンドウ表示とタブ表示の切り替え

総合型テキストエディタ

サクラエディタ

sakura-editor.github.io

私がWindowsで愛用しているエディタのひとつです。世界のほぼ全てのテキストファイルを開けます。メニューに出てくる機能や設定可能な項目の多さに圧倒されるかもしれませんが、そのあたりに触らずに使ってみるだけでも結構便利に使えると思います。詳しく説明するとブログ記事1本分になってしまいますし、いきなり情報をたっぷり投げつけてもおなかいっぱいになるので、説明はこれくらいにします。本日時点での最新版は Ver. 2.4.1 (Build 2849) です。

Mery

www.haijin-boys.com

こちらのエディタは最近知りました。作者のKuro氏が「基本はシンプルであること」「メモ帳よりもちょっといいもの」であることを目指し、Windowsメモ帳からのステップアップとして使いやすいものとして開発提供していらっしゃいます。もちろん世界のほぼ全てのテキストファイルを開けます。サクラエディタとの違いは、サクラエディタが多くの機能を組み込んだ状態で提供されていて腰が抜けそうになる一方、Meryは複雑な機能や、一部の人しか使わないであろう機能をプラグイン形式として別途組み込めるようにすることで、必要なものだけを利用できるようにしていることです。縦書き表示・編集ができるそうなので、今度小説を書くときにその機能を使ってみます。本日時点での最新版は窓の杜等で公開されている安定版がVer. 2.6.7、ベータ版(評価版)がVer. 3.3.9です。

mi

www.mimikaki.net

私がかつてMacBook Pro / MacBook Airを主力機として運用していた頃、何か良いテキストエディタが無いかと探してたどり着いたものです。非常に高機能です。macOS向けですと、日本語テキスト対応で不安が無いのはmiかCotEditor(使ったことはありませんがすごそうです)くらいですので、大変有力な選択肢になると思います。これも縦書き表示・編集ができます。本日時点での最新版はVer. 3.7.2です。

TeraPad

tera-net.com

日本語圏で著名なテキストエディタのひとつです。私もだいぶ前ですが一時期試しに使ってみていました。2012年11月にVer. 1.09が出て以降長らく新バージョンが出ていませんでしたが、Windows 11環境で起きる不具合対応として、2022年10月にVer. 1.10が出ました。TeraPadでは内部の文字表現仕様(ShiftJISエンコーディング)の都合上、日本語文字、アルファベットと、それらに関連する記号以外が文字化けする可能性があるので、Unicode絵文字や一部の外国の文字が含まれているテキストを扱う場合には注意を要します。

K2Editor

k2top.jpn.org

2000年代、私が中高生の頃に大変よく使っていたテキストエディタです。これを利用して、当時遊んでいた列車運転シミュレーションゲームBVE」(現在は「BVE Trainsim」として開発継続中)のアドオンファイルを作っていました。2010年10月のr.1.5.9以降新しいバージョンが出ていませんが、公式サイトと「窓の杜」から入手可能です。こちらも、TeraPad同様にUnicode絵文字や一部の外国の文字が含まれているテキストを扱う場合には注意を要します。K2Editorで便利な機能に「指定した文字数で改行する機能」「特定のパターンの行頭文字で箇条書きを簡単に作れる機能」があります。

公式サイトトップページはしばらく更新されていないものの、サイトリンクの「雑記」からK2氏の近況を見ることができます。お元気そうでなによりです。

NoEditor・UnEditor

forest.watch.impress.co.jp

www.vector.co.jp

こちらも2000年代の一時期、K2Editor以前に使っていました。詳細な説明は「窓の杜」や「Vector」をご参照ください。こちらもVer. 1.33.3.0が2013年10月に出て以降新バージョンは特に出ておらず、作者のYokka氏のメイン公式サイトがドメインこそ生きているものの、最近ページが改竄されてしまって有害サイトに転送されてしまうコードが仕込まれているようです。果たしてYokka氏にどう連絡を取ったものか……

次回以降紹介

いっぱい書き過ぎたので、プログラミングにかなり向いたエディタや、小説執筆に向いたエディタなどは次に紹介します。

おまけ:広告を置いてみたけどブロックするのはみなさまの当然の権利です

今日から連載を始めるにあたり、せっかくならみんなの閲覧を武器にしてGoogleとつながった広告主から金を巻き上げよう技術的勉強の一環として、Google アドセンスなるものをこのブログにだけ試験設置してみました。審査が済み次第設置される見込みです。なお、設置こそしてみましたが、賢明なみなさまは是非とも広告ブロッカーアドオンやウェブブラウザ「Brave」を使って、快適かつプライバシーが保たれたウェブ閲覧体験を進めましょう。私も使ってます。