青竹雑記帖(6代目)

雑記帖がまた新しくなりました。

困ったときの通信確保指南(公衆電話の説明がクソナガイ)

週末の KDDI (au) の通信障害においては、各方面実に大変だったことと存じます。我が家は全員 docomo でしたが、親戚の多くが au 利用だったので大変だっただろうなと思います。 とても気合の入ったタイトルから始めましたが、大したことは言いません。ネット上にあふれるアドバイスよりも、少しばかりは大多数の人のあり方に近い感じにします。できるかな?

ちなみに通信障害の概要は次の通りです。

  1. 障害継続時間 7月2日午前1時35分 ~ 継続中(5日午前2時現在ほぼ回復したものの、本格再開との発表はなされていない)
  2. 影響利用者数 全国3915万回線

要約

  • 人生諦めが肝心。茶を飲んで飯食って寝るしかねえ。
  • とはいえ命や暮らしが懸かるとそうも言っていられない。なんとかするならば……
    • Wi-Fiスポットを見つけて世話になる。
    • 公衆電話を探しておく(ただし受信はできない(正確にはできるけど公衆電話の電話番号は非公開))。
    • 安いスマートフォンを買い足して安いプランを契約しておく(もちろん追加費用がかかる)。
  • ネット上のアドバイスの問題点
    • 「デュアルSIMって、何?」という人の持つスマートフォンのほとんどは、SIMを1枚しか挿せないし、eSIMへの対応が困難。
    • 安いとはいえ回線を増やせば金はかかる。

人生諦めが肝心

各種インフラは日々多くの人やシステムの不断の努力によって維持されています。とりわけ日本ではめったに障害を起こしません。 少し古い情報になりますが、総務省の電気通信事故検証会議がまとめた「平成30年度電気通信事故に関する検証報告」では、 今回のKDDIの件のように継続時間24時間以上、および影響利用者数100万以上の事故は0件であったと報告されています。

なかなか起きない事態に対処するときの方針としては「自分の命に危険がないなら、諦めて、寝る」が良かろうと思います。怒ると寿命が縮みます。

とはいえ命や暮らしが懸かるとそうも言っていられない

いかんせん命が懸かると諦めるわけにはいきません。山奥や海で病気やケガなどをすると、数時間の差で命が失われる危険があります。 今回も海の事故で、事故発生から通報が届くまでに5時間を要してしまった事例が報告されています。 あるいは、この暑さで倒れてしまったら、スマートフォンが唯一の生命線になることだってあり得ます。 自分がそうなるだけでなく、相手がそうなってこちら側に助けを求めてくることもあるわけで、その際にこちら側で受信ができなければ一巻の終わりです。 ある程度は自分達の側でも対応策を考えておく必要があります。

Wi-Fiスポットを見つけて世話になる

通信を確保する有力な策は近所の公衆無線LAN (Wi-Fi) スポットです。主要な駅や大型ショッピングモールだと整備してくれているところも多かろうと思います。 コンビニにもスポットが整備されています。ただ、セブンイレブンは昨年度末頃までにほとんどの店舗でWi-Fiサービス(7SPOTや各携帯電話会社のキャリアWi-Fi)を廃止してしまいました。 こうした公衆無線LANではセキュリティ面が心配な面もありますので、クレジットカード決済など、盗まれると危ない情報のやり取りが発生する処理は避けた方が無難です。

公衆電話を探しておく(ただし受信はできない(正確にはできるけど公衆電話の電話番号は非公開))

参考ウェブサイト : NTT西日本の公衆電話に関する案内

www.ntt-west.co.jp

最近は携帯電話番号や電子メールアドレス情報を交換しないので、LINEのようなメッセージングアプリや、その他のSNSしか連絡を取る手段が無い相手も多いかと思います。 とはいえ、家族の携帯電話番号や家の固定電話番号(最近は設置しない家も多いですかね?)などは携帯電話の連絡先アプリに登録しているはずですので、公衆電話から掛ければつながります。 うちのあたりだと中高生を中心に公衆電話を使う姿が今も見られます。都会の人には信じがたいかもしれませんが、携帯電話等持ち込み禁止の学校がまだあるのかもしれません。

一応使用方法をご紹介します。

  1. 受話器を取ります。
  2. テレホンカードまたは硬貨(10円または100円)を入れます。10円玉の場合、電話代より投入額が多かったら余りは返ってきます。100円玉だとお釣りは出ません。
  3. 受話口(耳につける方)から発信音(ツー、という音)が鳴ることを確認します。
  4. 電話番号を入力します。プッシュボタン式であれば数字をそのまま打ち込んでください。ダイヤル式(最近はほとんどありませんが、ごくまれに設置されています)の場合は、数字に対応する穴のところに指先を入れ、指がストッパーに当たるところまで右に回し、指を離してください。ダイヤルが元の位置に戻ることで番号が1ケタ送信されます。これを電話番号のケタ数分繰り返します。
  5. 相手が出たら話します。電話料金が不足すると警告音が聞こえますので、硬貨やテレホンカードを追加投入してください。追加投入しなかった場合は通話可能時間終了とともに電話が切れます。
  6. 通話が終了したら、受話器を元の位置に戻してください。テレホンカードや電話代に使われなかった硬貨が返ってきます。

公衆電話は削減傾向が続いており、総務省が設置義務の基準を緩和したことから、最低設置基準を満たしつつもさらに削減されることになっています。設置箇所は2012年からウェブサイトで検索できるようになりました。NTT西日本管内(九州・沖縄・中国・四国・近畿・東海・北陸)とNTT東日本管内(甲信越・関東・東北・北海道)でページが分かれています。いずれも屋外・屋内の別、終日利用可能か利用不可能時間帯があるか、車椅子での利用が可能かを基準に地図上にアイコンで表示されます。それ以上の設置箇所説明はありませんので、たとえば設置箇所がどの建物の前か、あるいは中かという情報は地図を見て判別するしかありません。……これってテキスト読み上げによるアクセシビリティはどうなっているんでしょう。

www.ntt-west.co.jp

publictelephone.ntt-east.co.jp

駅名やランドマーク名でも検索できますが、これは単に地図上でその駅やランドマークの位置に飛ぶというだけで、検索で出てきた駅やランドマークに公衆電話が設置されているとは限らないという罠があります。たとえば秘境駅として名高いJR日豊本線宗太郎駅大分県佐伯市)は、検索結果に現れてその駅の位置まで飛べますが、ここには公衆電話はありません。また、わが地元小郡市で、終日利用可能とされている屋外設置の公衆電話のうち、ひとつは陸上自衛隊小郡駐屯地のど真ん中に点が打たれています。申し出れば入れてくれるとは思いますが、公衆電話を使う人が少ない昨今、どうみても怪しい奴にしか見えません。

あと当然ですが、公衆電話から電話を掛けることはできますが、特殊簡易公衆電話(通称ピンク電話。でも新しい機種は白い)の一部を除いて、相手方からかけることはできません。公衆電話にも電話番号はありますが、非公開とされています。

安いスマートフォンを買い足して安いプランを契約しておく(もちろん追加費用がかかる)

そしてこれです。予備回線の確保するのも有力な策です。もし普段使わないなら思いきり割り切って、格安中の格安なスマホを選んで用意するのもいいかもしれません。スマートフォン本体は中古調達し、格安SIM (MVNO) は超絶安いものを選択して契約するというものです。この時重要なのが、メイン回線で持っている会社とは違う系統の会社の回線を使うことです。初めての人は混乱すると思いますが、格安SIMの会社は自前の回線を持たず、回線を持っている会社 (MNO)(NTTドコモKDDIソフトバンク楽天)から借り受けて通信サービスを提供しています。(ちなみに楽天モバイルは自社以外に回線を提供していません。ちなみに自社回線エリアを増やしてきていますが、まだKDDI回線へローミングするエリアも多いです)格安SIMの会社で「プランA」(KDDI)、「プランD」(NTTドコモ)、「プランS」(ソフトバンク)と分かれていたり、「docomo回線」や「Softbank回線」などと書かれている場合は、それぞれ書かれた会社の回線を利用して実際の通信を行います。ですから、メイン回線としてKDDI系統の回線を使っている場合は、予備回線にはNTTドコモ系統やソフトバンク系統を選択すべきです。

ただ、この方法は後述するように、多少は金がかかりますし、それ以前に条件により契約自体ができない場合があります。

ネット上のアドバイスの問題点

今回の件を受け、Twitter等では「予備回線を確保しておけ、デュアルSIMだ」という声が多く聞かれましたが、彼らは大変な問題を見落としています。

「デュアルSIMって、何?」という人の持つスマートフォンの多くは、SIMを1枚しか挿せないし、eSIMへの対応が困難

通信関係に詳しい人は、SIMフリーのデュアルSIMに対応するスマートフォンを調達して、実際に2社の回線を契約して運用していると思います。そうした人達が見落とすのは、「世の多くの人は各携帯電話のキャリアショップや家電量販店の店頭で携帯電話を購入契約し、しかも長期間利用する」という点です。日本でシェアが高いiPhoneがデュアルSIMに対応したのは2018年発売の「iPhone XS」「iPhone XR」からです。それ以前のiPhoneや、Android系端末のうち各キャリアが出すモデルは、そもそもシングルSIMか、あるいはグローバルモデルでもデュアルSIM機能を削除してあるか、どちらかです。また、iPhoneのデュアルSIM対応は、2つのうち1つはeSIMでなければなりません。MVNOがよく分からない人が、eSIM対応の会社やプランを探し出して利用するのは難しかろうと思われます。

安いとはいえ回線を増やせば金はかかる

私の友人知人が話していましたが、「格安スマホを使っている人は、その格安な回線1本を維持するだけで大変なのではないか」という懸念です。確かに探せば維持費が年間660円(povo2.0で回線維持に必要な最低限のトッピングを購入した場合)であったり、donedone (ドネドネ) エントリープランという年間0円で維持可能な回線プランがあったりします。しかし、これらはどちらもKDDI系統の回線ですので、もしメイン回線がKDDIならこれらを予備にする意味がありません。ちなみにNTTドコモ系統やソフトバンク系統の回線プランですと、最安で年間約2400円 (HISモバイルのdocomo回線プラン・Softbank回線プラン 段階型料金のうち0.1GBまで)です。年額2400円くらい大丈夫だとする向きは多いでしょうが、困窮とまでは行かないまでも低賃金ですと、正直アップアップな状態になる人もいるかもしれません(信じがたいでしょうが)。最大の問題として、MVNOのほとんどは料金支払手段としてクレジットカード決済しか認めていません*1ので、そもそもクレジットカードを持たない人はお呼びでないということになります。

まとめ

めったにない事象なので腹をくくって諦め、公衆電話などを探しておくか、公衆無線LAN (Wi-Fiスポット) に頼るか、金があれば予備回線を持っておくか、お選びください。

良いスマートフォンライフを!

*1:QTmobileは、QTnet光回線BBIQ」を契約して口座引き落としにしている場合に限り、同じ口座からの引き落としで契約可能